演劇公演を控える脇田唯さんに、いぶしかもし酒場Choiで話を聞いてみた。

脇田唯さんって?

当サイトをご覧になっている方はご存知の方も多いと思いますが、ar magazine 掲載店舗の特集記事や動画にも出演してもらっている、脇田唯(ワキタ ユイ)さん

脇田さんはHTBの情報番組「情報ビュッフェ」への出演や雑誌「FLASH」誌面への登場など、札幌を拠点に幅広く活躍しているタレントさんですが、本業は演劇を中心とした役者さんで、年間いくつもの演劇公演に出演されています。


脇田 唯 さん
札幌生まれ、札幌育ちの”お留守番タレント”。
演劇、音楽、ラジオ、イベントMC、モデル・・・など
様々な表現活動を貪欲にしゃかりきに札幌を拠点に道内外で活動中。

    

現在(2020年1月時点)も2月7日からの舞台公演を前に絶賛稽古中とのこと。

そこで今回は、脇田さんの役者としての活動にフォーカスして、出演されるお芝居の内容や演劇活動に対する想いなどをお聞きしたいと思います。

とはいえそこはar magazine。日頃お世話になっている掲載店さんに席をお借りして、おすすめのメニューをいただきながらインタビューをさせていただきました。

やってきたのは狸小路8丁目「いぶしかもし酒場 Choi」さん。

今回お邪魔したお店は「いぶしかもし酒場 Choi」さん店舗のページはこちら)。

Choiグループは札幌市内で立ち飲み形式を主体に多くの店舗を展開している人気のお店です。

各店舗で「燻製」や「おでん」、「餃子」など、力を入れているジャンルが異なり、それぞれが個性豊かなお店となっています。

今回お邪魔した「いぶしかもし酒場 Choi」さんは、立ち飲みが主体の系列店の中で「座れるChoi」のひとつ。

「タヌハチ」こと狸小路8丁目の店舗は二階建ての路面店。二階席は団体にも対応しており、夏場はテラス席で“外飲み”も楽しめるお店です。

二階席は団体客にも対応。
写真奥のテラス席で楽しむこともできます。

フードは自家製の燻製と発酵おつまみが特徴で、発酵料理は自家製の塩糀(こうじ)や醤油糀(こうじ)を使ったメニューが並びます。

ドリンクは日本酒が豊富で、道産酒をはじめ全国の地酒を常時50種類ラインナップ。少量ずつたくさんの種類を楽しめる日本酒飲み比べセットも人気です。

 

いらっしゃいませ!ゆっくりしていってくださいね!」と店長の中鉢さん。

Choiグループには気さくなスタッフさんが多く、各店舗の店長さんのファンが多いのも特徴です。

脇田さんがお店に到着。

ご本人の登場です。

さっそく二階でお話をうかがいました。

脇田今日はよろしくお願いします!

−よろしくお願いします。今日はお芝居のお話を聞かせてください。
さっそくですが、脇田さんはいつから演劇を?

脇田「本格的に始めたのは高校生のときの部活動からですが、お芝居に興味を持ち始めたのは小学五年生のときの学習発表会で。担任の先生に半ば無理矢理主役に推薦されたのがきっかけです(笑)。その時は嫌だったんですが、今となっては感謝してます。」

−本格的に演劇にハマったきっかけとかってあるんですか?

脇田「目立つのが嫌いというか苦手で、でも人が喜ぶことをするのは好きで、というなんともやっかいな性格なんですけど、主役に選ばれてしまって嫌々やる内に、お芝居は見ている人に直接エンターテイメントを届けられる面白いコミュニケーションツールだってことに気がついて、ハマりました。」

−現在まで演劇を続けている最大の理由は?

脇田「ひとつはやっぱり舞台に立つ快感みたいなものがあって、上演が終わってお客様から拍手をいただいた時はなんともいえない充足感や幸福感があるんですよね。ただ、それだけだと自己満足みたいになっちゃうんですけど、拍手をいただく時のお客様の顔を見ていると、思いや物語のテーマが”伝わったかどうか”がけっこう分かるもので、”伝わった”上でいただく拍手にはお客様の”思い”も含まれていて。自分たちとお客様が心を通わせられたという感覚がとても幸せなんです。そのためにやっているというのはありますね。」

脇田「あとこれは原体験的な話なんですが、高校生の時に札幌市教育文化会館で高校演劇のコンクールがあって、そこで発表をした時に、上演後、たまたま通りがかって私たちのお芝居を見られたお客様が控え室にお話しをしに来てくださって、『あなたたちのお芝居で生きていく希望が湧きました』と言っていただいたんです。当時は高校生だったのですごくびっくりしたんですが、その時に、お芝居って人の人生に影響を与えることができるんだと思って、それってすごく意義のあることだなと。その思いは今も持ち続けてお芝居をしています。」

−なるほど、そういった体験もあって続けているんですね。あ、お酒とおつまみが来ました。

いぶかも盛り合わせ 10種盛り」と
日本酒飲み比べ6種」。

いただきながらインタビューが続きます。


「ちょっとこれすごい美味しいんですけど
にごり酒の美味しさに驚く脇田さん

日本酒飲み比べ6種。
それぞれの銘柄の説明を記載したシートが添えられます。

−現在も次回公演に向けて稽古中なんですよね?

脇田「はい。札幌演劇シーズンという演劇のイベント(毎年 夏/冬の2回、1ヶ月間に4〜5つの演目をロングランで上演する演劇のイベント)に参加するクラアク芸術堂という劇団の『汚姉妹 −呪われた少女−』という演目に出演します。2016年に前身の団体”劇団アトリエ”の最後の作品として上演した作品の再演です。」

−どんなお話なんですか?

脇田「あらすじですか、ちょっと説明が難しい!(笑)…いつも楽しく笑って生きているハルちゃんという女の子のお話なんですが、ハルちゃんとその仲間たちのもとにお金持ちのおじさんがやってきて、自分の権力と富を振りかざしてハルちゃんたちの幸せをぶち壊そうとしてくるんです。なぜそんなことをするのか。善と悪、富と貧、自己と他者。本当に守りたいものはなんなのか、など、今私たちが信じている価値観や哲学を見直すことを強制的に突きつけてくるお話ですね。」

−ダークそうなお話で、ちょっと身構えちゃいますね…

脇田「そうですね。ダークファンタジーというジャンルになるんだと思うんですが、これは本当にファンタジーなのかなって。昨年大ヒットした映画『JOKER』の公式HPに感想を載せていただいたんですが、私の中ではこの作品と共通する部分があるなぁと思っていて。ダークな内容って、人によっては見たくない、あんまりいいイメージがない場合もあると思うんです。そりゃ、ハッピーエンドだったり、心がほっこりするもののほうが前向きに見れると思います。でも、【物語】だからこそ。【フィクション】だからこそ。目を背けたくなるようなお話を見て、それを現実にしないようにするのがいいんじゃないかって。芝居や映画で観たこの後味の悪さを現実にしないように、今日からどうやって生きるのか、人と接するのか、そんなことを考えるきっかけにしてもらえたら何よりです。」

前回公演時の舞台写真

−脇田さんの役どころは?

脇田「物語のストーリーテラーのような存在、絵本作家を夢見るモモという役を演じます。あまり自分のやる役に嫌悪することはないんですが、今回はモモが苦手でした(笑)。でも、最近その謎が解けて。昔の自分を見てるみたいで怖かったんだと。自分なりの正義も責任感もあるのに、臆病で、物事を見ていることしかできない自分。泣くことしかできず、グッと黙っている。でも、モモに共感っていうか、既視感を持つ人は多いんじゃないかなって思います。個性豊かな登場人物の中で一番身近なキャラかな。」

いぶかも盛り合わせ10種盛り

湯葉や枝豆、漬物などを燻製や発酵させて仕上げた
香りも楽しいおつまみ

脇田「お店にお邪魔してこうしてお話しをしていて思ったんですが、お芝居も飲食店も”気になってるけど行かない状況”って、結構あると思うんです。お芝居はごく短期間で公演が終わって次に同じものを観られるチャンスはなかなかない。飲食店もどれだけ美味しくてもお店がなくなっちゃったら二度と行くことはできないですよね。今回のこの記事で少しでも気になったら、Choiさんにも、演劇にも、ぜひ気軽にトライして欲しいです!店長さんは札幌の劇団のお芝居ってご覧になったことってありますか?」

店長いやーないですね〜。劇団四季のライオンキングを一度見たことがあるくらいで。すみません。」

脇田「とんでもないです。演劇とか地元の劇場ってあまり馴染みがないでしょうから、そういう方が大半だと思います。もしよければぜひ一度、見てみてください!」

おもむろにチラシを渡す脇田さん。宣伝活動にも余念がありません。

−ちなみに稽古の状況って、どんな感じなんですか?

脇田「ストーリーは暗いお話なんですが、稽古はとても楽しくさせてもらっています。自分も出ておいて言うのもアレなんですけど、魅力的な役者が集まったなぁと。私はフリーの役者で客演という立場ですが、クラアク芸術堂の作品には前身のアトリエ時代からずっと出演させていただいていて、勝手に劇団員のような気持ちでいます。そこに客演のダブルキャストの6名が加わり、私も前回とは別の役で出演するので、再演と言いつつ新鮮さもあり、前回観た人も初めて観る人も楽しめる作品に進化してると感じています。」


稽古の様子

劇団のみなさん

脇田「特に、前回は姉妹として関わったハル役の山木眞綾さんとは、今度は関係性が変わって見えてくるものもありますし、いつも相手役をしているユウタ役の有田哲くんには絶大なる信頼をおいています。今回みんなに嫌われるであろうお金持ちのおじさん・ヤナギ役の伊達昌俊くんも本当は誰よりも優しい子なので(笑)。とにかく楽しく温かくやらせていただいてます。(役柄や他の役者さんについて詳しくはこちら)ダークな芝居の現場って、逆に空き時間はみんな笑顔が溢れてることが多い気がします。それも、なんか人間の面白さだなぁって。だから、観た人も、ダークすぎるこの作品を見たら、元気になるんじゃないかな?

−なるほど。このインタビューを読んで観に行きたいなと思った人はどうすればいいですか?

脇田「ぜひこちらの予約フォームからご予約いただいて、劇場にお越しください!よろしくお願いします!

予約フォームはこちら

インタビューを終えて

店長にチラシを渡してご満悦の脇田さん。「店長もぜひ見にきてくださーい!」と最後に中鉢さんとツーショット。

本当にありがとうございました!

店長「打ち上げでも使ってくださいねー!」

今回ご協力いただいたお店

いぶしかもし酒場Choi
住所:札幌市中央区南2条西8丁目4-7 F-DRESS8BLD
TEL:011-215-0785
月~金 17:00~24:00(フードL.O.23:00/ドリンクL.O.23:30)
土   16時〜24時(フードL.O.23:00/ドリンクL.O.23:30)
日祝  15時〜22時(フードL.O.21:00/ドリンクL.O.21:30)
定休日:無休、年末年始をのぞく
平均予算:2,000~3,000円

店舗情報はこちらでも紹介しています。

この記事を書いたひと:サイトウ
サイトの運営・管理担当。旭川出身のしし座のA型。
40代に突入し、アルコールへの耐性が低下しつつも日々取材にはげんでいます。

 

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